厚木革新懇が主催、厚木市九条の会ネットワーク、厚木の教育を考える会が協賛して5月25日、厚木市文化会館で前文科省事務次官の前川喜平さんの講演会が開かれました。講演会には遠くは山梨や東京、県下各地から1100人を超える人々が集まり、憲法と教育を熱く語る前川さんの話に、時には笑い、時には怒り、和やかに聞き入りました。
テーマは「個人の尊厳へ導く教育」。安倍政権の下、憲法9条に自衛隊が書き込まれるという危機の中、前川さんは、憲法13条に基づく「個人の尊厳」を柱とした憲法観を戦前の大日本帝国憲法と比較しながら解き明かしました。戦前の皇国史観による「教育勅語」は道徳教育の見本のように言われてきたが、その真意は天皇に対する「忠」と家父長制の下の「孝」で、国民を天皇の「臣民」と位置づけ、戦争などの場合、天皇のために命を投げ出せ、という「教え」になっていると話しました。
戦後、この「教育勅語」は廃止されたが、戦争の原因を正しく清算できていない人々が指導者になったことが現在の憲法改悪の策動につながっていると指摘。教育改革の歴史を振り返りながら、教育基本法の改悪、道徳教育の教科化などに触れ、国民道徳に国家観を持ち込むもので、「この考え方の中で欠けているのは、個人の尊重と地球市民的観点だ」と批判しました。
前川氏は安倍政権を揺るがす「モリカケ」問題にも触れ、「愛媛県文書でアベさんの嘘はばれている。『2017年1月20日まで私は知らなかった。前川さんも含めて誰も私がかかわったとは言っていない』というが、そこに私の名前はいれないでほしい」と述べ、爆笑を誘いました。
厚木革新懇 (釘丸)