葛飾革新懇は10月4日、かつしかシンフオニーヒルズ別館で2025年度総会を開催しました。
くらしを壊した3つの政治
来賓挨拶に立った東京革新懇の今井文夫事務局長は、「くらしを壊した3つの政治」に触れました。一つは消費税について、導入から3回引き上げられ、国民負担額が539兆円にのぼる一方、法人税はたびたび減税。消費税の税収は大企業と富裕層への減税で消えていること。二つ目は社会保障の改悪と負担増です。「消費税は社会保障のため」と政府は強調してきましたが、いまや税と社会保障の国民負担率は47%にもなっています。三つ目は、実質賃金が減り続けていることで、非正規労働者が4割近くに急増し、1996年と2023年を比較すると、実質賃金は74万円も下がっていると指摘しました。「こういう状況の中で、くらしと平和を守る政治に変えていかなければならない。そのためには新たな共同が必要です」と述べ、「11月に行われる葛飾での区長・区議選において、葛飾で新たな共同を切り開き、選挙戦に取り組むことを期待しています」と激励しました。
総会は、細谷正幸事務室長が活動報告と提起を行い、続いて会計報告と予算、監査報告が行われ全体の拍手で確認されました。
OECD平均では、日本は13万2千人の医師不足
東京民医連会長の根岸京田さんが記念講演を行いました。
根岸さんは医療を取り巻く厳しい環境や、現在の医療制度の問題点などに言及。「日本の人口は今後毎年90~100万人減少していく状況です。出生率は下がり高齢化が進み、独居世帯が増えている。救急の現場でも運ばれてくる患者が独居で身よりもなく、キ―パ―ソンがいない場合などもある。20~30代でも孤独死が増えている現実もあり、医療・介護だけでなく、社会全体で支え合う仕組みが必要だ」と強調しました。さらに「医療費亡国論に基づいた政策が続けられており、社会保障は削減され続けている。高度医療を行うのは県に一つの病院で良いなど、医療の効率化・集約化がすすめられ、ロボットやⅠCT(情報通信技術)活用も進められている」「〝日本は医師の数が多い〟は嘘。OECD加盟国の中では、真ん中より下。OECD平均は、患者1000人に医師3・9人だが日本は2・6人。13万2千人も少ないのが現状。それでも医学部の定員を減らすなど、医師数を増やさない政策を行っている。コロナ後に外来患者が減った状況が続いていて、医療収入が増えない現状があるが、経費(材料費・人件費・委託費など)だけは増えている。国立大学病院も経営困難で、令和6年には42大学病院中29大学病院が赤字。建築費の高騰で、老朽化しても建て替えが出来ない。リニューアルもままならない。このままでは大学病院の倒産も有り得るのではないか。社会保障が困難に直面している中、人口減少対策として子ども家庭庁が創設されたが、財源は社会保障費を2兆円削減して充てるとしている。社会保障を国民負担を増やさずに進めるためには国庫負担を増やすしかない。共に頑張りましょう」と講演を締めくくりました。
総会には50人が参加し、6人の方が新加入されました。( 入月孝広)