県革新懇は 、「コロナ危機は何を問いかけているか」「東アジアの平和のために」ということで、3回の連続講座を企画しました。
7月11日、第1回の「コロナ危機と日本の医療体制の課題」は 、藤末衛医師を講師に行いました。藤末医師は、豊富な資料と現場の生々しい実情や民医連活動を踏まえながら、「危機的状況が起きた時は、普段の備えが問われ、普段の社会の在り方が問われる。過度に効率化を追求していくとリスク管理ができなくなることが、今回のコロナが明らかにした。感染が蔓延化する中で、相談、診断、入院の流れがパンクし、特に、疑い症例の入院対応が困難になった。また、内視鏡検査や健康診断、日常診療がストップした。コロナ対策と地域医療双方が機能不全に陥った。そこには、 政府 が 、感染症床削減、人口比で先進国の半分しかない ICU 病床、また病床を90%以上埋まらないと赤字になる診療報酬にし 、 また 資材の備蓄の遅れや公衆衛生部門の予算削減など新興感染症パンデミック対策を軽視 し てきたことが ある。
今後の課題は、社会・経済・社会保障の在り方を変革する視点で①営利第一、効率追求の産業構造・政策の転換、②社会生活の転換、③「自助・自立」でない、人権としての社会保障構築が求められている。そして、これからの医療・介護の在り方として、総合診療が大事になっているし、必要な人には、必要なだけ支援をしていく よう (公正な保障 に 変えていかなければならない」 など と強調されました。多くの質問に丁寧に答えられ、 「医療現場 からの生々しい報告を 含めて 、日本の政治の貧困さに恐ろしさを感じます」「日本でなぜ PCR 検査が進まないのかわかった」 「第 2 波が来るまでに地域の声をもっと上げることが大事だということが印象に残り ました」などの多くの感想が寄せられました。(兵庫革新懇MAIL・FAX短信 NO13から)