県政問題連続学習会スタート  奈良革新懇

7月28日午後、奈良革新懇主催の県政問題連続学習会のスタート(第1回目)として「奈良県の医療問題」をテーマに学習をしました。

講師の奈良民医連の新事務局長・山崎直幸さんは、①救急医療体制の遅れ(全国44位) ②医療従事者や介護職員も不足 ③大病院が少なく、中小病院が多い…という「奈良県の医療の特徴」や「奈良県が考える・めざす奈良の医療」構想の問題点を様々な資料を示しながら鋭く告発。県が、どんなに「これからの奈良県の医療」をバラ色に語ろうが、医療従事者や介護職員の確保ができない、在宅医療を指向しながら在宅医療を志す医師の育成はほったらかしという(奈良県の)無責任さが浮き彫りに。

2018年度からの国の「国民健康保険の県単位化」に対して、「全国に先駆けて」「県内全市町村と丁寧に協議し、合意形成を図ってきた」という欺瞞も甚だしい。

それにしても驚くのは、「奈良県の第3期医療費適正化計画」の中身。「適正化」という言葉は、行政用語として「縮小」「削減」を指すということを私自身県立高校削減に反対する運動の中でで知ったところですが、日本国憲法が要請する権利としての医療・介護を崩し、県知事が思うがままに奈良県の医療費削減を支配できるシステムづくりということです。

その一環として、いま奈良民医連、奈良県医師会、奈良県保険医協会あげて大反対している「地域別診療報酬」問題について、山崎さんは「『見える化』による『地域差』によって市町村を競争させ、自らの責任で医療費・介護費適正化へと奔走せざるを得ない状況におかれる」と厳しく指摘。

では、患者の実態はどうなっているのか。奈良県における国民健康保険の滞納世帯は21,088世帯、保険証がない人が8000人以上。「病院の入り口に立つことさえできない患者の存在」に奈良県はまともに向き合っていないことを告発。

安倍政権・財界が描く「社会保障解体」構想をどの県よりも奈良県が忠実に、そして地方における具体化の先導役を果たしていることがくっきりしました。奈良県の公的責任をひたすらに縮小し、安上がりの医療制度がめざされています。安倍政権・財界にとって「医療は産業」であって、そのお先棒を奈良県が担いでいます。

こうした荒井奈良県政を、来春の県知事選挙で県民の手に取り戻そうではありませんか。

(奈良革新懇事務局長 深澤 司)

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