違憲状態は解消されていない  新潟県革新懇

 新潟県革新懇は5月30日、憲法会議との主催で、憲法学の成島隆新潟大学名誉教授を講師にした講演会を開催しました。

 成島氏は、今回の任命は日本学術会議法(以下「日学法」)に違反するだけでなく、憲法が保障する学問の自由との関係で重要な問題があるとし、旧憲法下と現憲法における「学問の自由」の保障根拠の違いも含め、学術会議の任命拒否問題の検証を行いました。さらに政府による人文・社会科学への攻撃の意味についても解き明かしました。

推薦どおりの任命が必要

 成島氏は、法令用語についても触れ、日学法の7条2項の「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」にある「〇〇に基づいて」という表現は「〇〇により」、「〇〇に従い」につぐ行政機関に対する拘束力の強さを示しており、学術会議の推薦は総理大臣の任命行為を強く拘束し、総理大臣は推薦どおりに任命しなければならないことを意味していると強調しました。さらに、任命拒否の説明しないのは、日学法の定める任命基準や手続き等に違反して任命拒否した行為が違法で、国民主権原理に背いているという違憲の評価を受けたくない、注目されたくないからだとしました。そして、この違法状態を解消するためには、地道に声をあげ、拒否された候補を任命させるしかないとしました。

 最後に、成島氏は「〇〇はこうあるべき」という論法をする人文・社会科学を攻撃する弊害について触れました。「長い時間でものを考えないから、重要なエビデンスを見落とし…アドリブがきかないやせ細った知性や感性では濁流に立てない…」などのコメントを紹介し、人文・社会科学の重要性を強調しました。(新潟県革新懇ニュースNO.222から)

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