2022年7月12日
平和・民主・革新の日本をめざす 全国の会(全国革新懇)代表世話人会
7月10日投開票でたたかわれた参院選の結果、自民党が改選議席の過半数を得、政権与党の公明党とあわせ76議席(非改選議席とあわせれば146議席)となった。また、改憲を主張する自民、公明、日本維新の会、国民民主党の4党で参議院の7割強を占めた。
全国革新懇は、今回の選挙を軍事大国への暴走ストップ、改憲を許さない正念場のたたかいと位置づけた。また、コロナパンデミックで露になった新自由主義経済の破綻をのりこえるいのち、くらし最優先の政治への転換を迫るたたかいとしても重視した。そのことから、投票率アップ呼びかけの取り組みもふくめ、共闘の輪を広げ、政治を変える流れをつくりだすために全国の革新懇、賛同団体とともに奮闘した。その位置づけに照らして、結果は厳しく残念なものである。「市民と野党の共闘」が一人区32選挙区のうちの一部(12選挙区)にとどまり、28選挙区で自民党の議席獲得を許したことが、選挙結果に大きく影響した。
参院選の結果、憲法9条も含めた改憲に前のめりで、「敵基地攻撃能力」を保有して海外での武力行使可能な自衛隊に名実ともに変質させようとする勢力、いのちとくらしよりも軍事費に税金を使うことをいとわない勢力が、衆参共に7割を超える議席を持つことになった。改憲発議に向けた動きが急加速する懸念が高まり、恒久平和と基本的人権の実現を政府の役割とする憲法と立憲主義はかつてない危機に直面することになった。
しかし、マスコミ等の出口調査では、市民が重視した政策は、景気・雇用などくらしの課題であり、「憲法改正」はわずかでしかない。今以上の軍事費増への消極的な意見も多数である。そのことからしても、「白紙委任」を政府や改憲勢力が得たわけではない。
選挙期間中も少数意見切り捨てや、市民の投票行動を軽視する発言が、政権党である自民党から行われた。ジェンダー平等の実現に背を向ける主張も繰り返された。物価急騰の主要因である金融緩和策を是正する動きも政府・与党には見られない。第7波が懸念される新型コロナウィルス感染への有効な対策は何らとられていない。これらのことからして、市民の政治への願いと政府の政策との矛盾がより深まることは確実である。その矛盾を可視化し、解決を迫る要求闘争を軸に、要求と政治をつなぐ共闘の前進、発展をめざして今夏以降のたたかいを強めよう。改憲暴走に反対し、平和とくらし、民主主義を守る共同の取り組みを草の根から広げよう。
投票日直前に安倍元首相が銃撃され、逝去されるという事件が起きた。いかなる理由があろうとも暴力や武力での問題解決は許されない。同時に、政治的背景を持たない蛮行を「政治テロ」と言いつのり、権力による表現、行動の自由への介入強化も断じて許してはならない。今こそ、言論の自由を守り強くする取り組みを強めよう。
少数意見の切り捨てを許さず、改憲と戦争する国づくりをストップし、憲法をいかす政治の実現を迫る運動により、「市民と野党の共闘」の前進、発展をめざす決意を新たにしよう。