2023年8月1日
平和・民主・革新の日本をめざす全国の会 代表世話人会
日本維新の会の馬場伸幸代表は7月23日のインターネットの番組で、「共産党は日本からなくなったらいい政党」との発言を行った。
馬場氏の発言は、政策の違いを問題にするのではなく、政党としての存在を否定するものである。およそ議会制民主主義は、異なった政策、意見を持った政党の存在が当然の前提となるものであり、そのことによって多様な意見も反映し、政治をすすめていくものである。にもかかわらず、共産党の存在そのものを否定するのは、民主主義の根幹をこわす暴言だと言わざるを得ない。日本共産党は昨年の参議院選の比例区で361万票(6.8%)の得票を得ており、馬場氏の発言は投票した有権者をも否定するに等しいものである。馬場氏には発言の撤回を強く求めたい。
そもそも国民主権とは、国民の間には様ざまな考え、要求が存在していることを認め合うことが出発点にある。それらの代弁者として政治活動を進め、国政に反映させるのが政党の役割であり、そこに政治理念や政策など意見の違いがあることは自明の理である。だからこそ少数意見を尊重し、多数意見をより良いものとする不断の努力が政党に求められ、主権者の多様な声や人間らしく生きたいとの願いを議会で審議し、その意思を政治に反映させることが求められる。それが議会制民主主義の根幹であり、馬場氏の発言はこれを否定するものである。
なお馬場氏は同じ番組で、自らの党を「第2自民党」と表現し、「第1、第2自民党の改革合戦」が国政を発展させるかのようにも発言した。しかし先の通常国会では、政権与党の自民党、公明党に日本維新の会などが加わり、憲法審査会での改憲論議を加速させ、市民に不安と混乱を広げている「マイナンバー法改正法」などの悪法を次々に成立させてきた。
これらの法案には、各世論調査や各地の運動でも示されたように、多くの市民が反対の意思を表明していたものである。このことに鑑みれば、「改革合戦」とは悪政の内容とスピードを競い合い、熟議なく、多様な意見を切り捨てる強権的な政治の進行を懸念させるものである。民意切り捨ての政治の加速は断じて許されないことも強く指摘する。