【全国革新懇が声明】 自民党派閥でのパーティー券収入不正疑惑の徹底究明と 企業・団体献金の全面禁止を求める

2023年12月8日

平和・民主・革新の日本をめざす全国の会 代表世話人会

 自民党の5つの派閥が、2018年から21年の4年間の政治資金パーティー券の収入約4000万円を政治資金報告書に記載せず、2022年分も5派閥合計で228万円を記載していなかったことが明らかになり、さらに「安倍派」や「二階派」ではパーティー券販売ノルマを超過達成した議員に資金を還流(「キックバック」)していた疑惑が露見し、検察が捜査を開始したと報じられている。

 政治団体の収支報告書に政治資金パーティーの収入を記載しなかった案件で、自民党の元衆議院議員とその秘書が起訴され罰金刑が確定しており、不記載の違法性は明白である。 

 仮に、意図的に収支報告に記載せず、パーティー収入の一部を裏金として秘匿するような行為があれば、それを行った議員はその所得を隠匿したと言え、脱税と指摘され得る犯罪行為である。

 これらのことからしても、自民党や関係議員は進んで事実を公表し、国民への説明責任を果たすとともに、自らの出処進退を律するべきである。

 政治資金規正法は、「政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」の法である。政治資金の収支の公開などを義務付けるとともに、収入、支出及び資産等を記載した収支報告書の提出を政治団体に義務付けている。年間5万円を超える寄付については氏名等を公表し、政治資金パーティー券については一人20万円を超える購入者の氏名等の公表が求められている。

 これらの規制は、政治が金によってゆがめられること、とりわけ資金力の大きい企業、団体と政治との癒着を避けるための規制であり、議会制民主主義の健全な維持にとって不可欠な規制である。

 この法変遷の経緯からして、国費で賄われる政党助成金とも深く関連している。

 今回露見した裏金作りは、政治資金規正法に反しているだけでなく、企業・団体が多額の献金を小分けにし、政治団体のみならず議員個人との密な関係を作り出すことで、政治が金によってゆがめられた疑いも払しょくできない。その点では、自民党の大企業奉仕のゆがんだ政治や、政治を腐敗させる温床として繰り返し問題となってきた企業・団体献金禁止の必要性が改めて明らかになったといえる。

 全国革新懇は、自民党派閥などでのパーティー券収入や「キックバック」の全容解明と厳正な捜査を求めるとともに、政治の責任として企業・団体からの政治家、政治団体への献金を全面禁止するよう強く求める。

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