2023年12月20日
平和・民主・革新の日本をめざす全国の会 代表世話人会
全国革新懇は、本日12月20日に福岡高裁那覇支部が下した辺野古代執行訴訟の不当判決に対し、怒りを込めて断固抗議する。
沖縄県名護市辺野古沖の埋め立てにおける大浦湾側の超軟弱地盤改良工事の設計変更の承認をめぐる判決は、休日を除いて3日間(12月25日まで)の期限で、国の請求通りに申請を承認するよう沖縄県に命じた。沖縄県が埋め立てを承認しない場合、国が承認を代わって執行し、大浦湾側の辺野古新基地埋め立てが強行されることになる。沖縄県民の民意をないがしろにする非民主的かつ非合理的な判決であり、司法の根本が問われかねない内容である。
今回の裁判では、代執行の要件の一つである公益性をめぐる主張が大きく分かれた。沖縄県は、過重な基地負担を担う県民の民意こそが公益だと強く訴える一方で、国側は承認しないことで生ずる普天間飛行場の危険性除去を不可能にすることを著しく公益性に抵触すると主張した。
国側の主張は、要するに、沖縄県内で米軍基地をたらいまわしにすることが「公益」だというものであり、それは基地被害のない平穏なくらしや、基地負担の軽減を求める沖縄県民の真摯なる声をふみにじるものである。過重な基地負担の軽減を求め、県民の7割強が辺野古新基地建設反対の意思を表明した2013年2月の県民投票の結果を尊重する玉城デニー沖縄県知事の姿勢こそ、市民に平和と安心のなかで生存する権利を保障した憲法理念に沿っている。
辺野古埋め立て工事は当初計画から大幅に遅れ、加えて軟弱地盤の改良工事などでさらなる長期化が確実とされている。世界一危険と言われる普天間基地の「一日も早い危険性の除去」との国の主張は、その点でも揺らいでいる。前例のない埋め立て工事とされる軟弱地盤改良工事に要する費用も膨張し続け、沖縄県は完成には2兆5000億円の費用が必要と試算している。このような巨額の税金を投入してまで、新基地建設に固執することに国民的支持は得られない。
本日の判決は2023年9月の最高裁判決を踏襲し、公益性や沖縄県の不承認事由についてまともに判断しない不当な判決である。沖縄県の主張や県民の意思を切り捨てたこのよう不当判決で、辺野古新基地建設反対の民意が揺らぐことは決してない。
また判決は「付言」で「対話による抜本的解決を強く希望する」としているが、これは米軍基地問題で政権の意向に拘束される現在の司法の後ろめたさの表れであり、粘り強い県民と全国での辺野古新基地反対運動が反映している。追い詰められているのは政府の側である。
在日米軍基地の7割が集中し、さらに台湾有事も口実に自衛隊基地の新建設や増強を強いられる沖縄県に、これ以上の基地負担を決して認めてはならない。辺野古新基地建設に反対し、県民の民意に沿った基地負担の軽減を強く訴える玉城デニー沖縄県知事に強く連帯し、辺野古基地建設反対の取り組みを全国草の根から継続強化しよう。
同時に、大軍拡・大増税の一方でくらしを支える予算を切り詰めながら、多額な裏金づくりを組織的に行う自民党政治を終わらせようではありませんか。辺野古に新基地を押しつける悪しき政治をあらためる民主・平和・くらし重視の政治への転換をめざそう。重ねてよびかける。