【事務室長談話】「辺野古・大浦湾側」の埋め立て工事の強行に強く抗議する  ― 国は工事を即時中止し、沖縄県との協議を尽くせ ―

2024年1月12日

平和・民主・革新の日本をめざす全国の会 事務室長 小田川義和

 防衛省沖縄防衛局は1月10日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、大浦湾側の埋め立て工事に強行着手した。埋め立て予定区域内にある軟弱地盤の改良工事に関する設計変更を不承認とした沖縄県知事に代わり、福岡高裁那覇支部の判決にもとづいて国が「代執行」して設計変更を承認したとはいえ、沖縄県が求めた対話に一切応じず、2013年末の埋め立て承認の際の「留意事項」で盛り込まれていた工事着工に必要な設計図についての沖縄県との事前協議も行わずに、海中への石材投下に踏み切ったことは極めて不当であり強く抗議する。

 国が沖縄県知事の権限を奪う「代執行」は、国と地方自治体は「対等」とする憲法、地方自治法の理念と相いれず、制度の執行とはいえ極めて慎重な対応が求められていた。福岡高裁那覇支部の判決が、「国と県が相互理解に向けて対話を重ね、抜本的な解決が図られることが望まれる」と付言したのも、その趣旨からだと考える。

 しかし、首相や関係閣僚をはじめとして国は福岡高裁那覇支部の判決後、沖縄県との対話、協議を全く行っていない。それは、県民投票などで繰り返し示された「新たな基地負担は認めない」という沖縄県民の意思をないがしろにし、完成の目途も不確実で「世界一危険な普天間基地の早期撤去」にもつながらないとする沖縄県への主張にも向き合わない姿勢の表れだと見える。あらゆる手段、権力を行使して、埋め立て工事の着工という結果を問答無用で押しつける国の姿勢は、「聞く意思」も「説明する意思」も放棄した独善的な対応だと言わざるを得ない。国はそのような姿勢を改め、工事を即時中止し、沖縄県との対話、協議を開始するよう強く求める。

 普天間基地の辺野古「移設」は、沖縄に新たな基地負担を押しつける理不尽なものであり、国が「唯一の選択肢」と言い続けること自体が欺瞞だと言わざるを得ない。今回の工事強行に際しても、国は「大浦湾埋め立て工事の起点」といいつつ同時に、「海上に資材置き場を設置する作業」だとして前述の「留意事項」にもとづく「(県との)協議の対象外」だとも述べている。このような詭弁を弄して一方的な解釈を押しつける姿勢が、県民の不信を増幅させ、事態の解決をより困難にしていることに国は目を向けるべきだと考える。

 国は沖縄県民と誠実に向き合い、辺野古への新基地建設に固執せず、沖縄県民の意思や大浦湾での新基地建設の困難さなどをアメリカ政府に率直に伝え、普天間基地の無条件撤去をはじめ沖縄の基地負担軽減のための交渉をいまこそ開始すべきである。その点での国の行動を強く求めるものである。

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