全国革新懇が談話 第50回衆議院選挙の結果について

2024年10月29日

平和・民主・革新の日本をめざす全国の会 代表世話人会

 10月27日投開票で行われた総選挙で、自民党は191議席、公明党は24議席にとどまり、政権与党が過半数の233議席を下回る「過半数割れ」の結果となった。これは、2012年の安倍政権発足以降にさらに深まった組織的な金権腐敗体質や憲法をないがしろにした平和、暮らし破壊、国会の多数を頼りにした論議軽視のおごり高ぶった自民党政治に対して、国民が厳しい批判を下した結果である。
今回の選挙結果は、一回の選挙にとどまらず、個人の尊厳を軽んじ、気候危機問題に真正面から向き合おうとせず、富の偏在を助長する一方で格差と貧困への対策をとろうとしないなど、行き詰まりが顕著な自民党政治の終わりの始まりであり、心から歓迎する。

 全国革新懇は、今回の総選挙にあたって①金権腐敗政治の解消、②「失われた30年」の要因となった新自由主義経済政策(アベノミクス)からの転換、③大軍拡と「戦争する国づくり」ストップ、④ジェンダー平等実現など国際水準並みの人権施策の四点を柱に「さよなら自民党政治」の大運動の具体化を呼びかけた。全国の革新懇や賛同団体がこの呼びかけにこたえ、それぞれの要求実現の取り組みと結合した宣伝・対話行動などに取り組んだ。
とりわけ、「しんぶん赤旗」がスクープした自民党の組織的な裏金作りや、総選挙中に明らかにされた2000万円の「裏公認」問題などを追及して取り組みを強めたことが、まともな政治を求める市民の願いと響きあい、大きなうねりを作り出す一助となった。「さよなら自民党」の大運動が市民と響きあい、与党「過半数割れ」に追い込んだことを確信にしたい。

 また今回の選挙では、革新懇の「3つの共同目標」を支持する勢力が議席を後退させるという残念な結果となった。「3つの共同目標」は対米従属、大企業本位の政治を大本から転換するものであり、賛同を広げ目標実現に向けた世論と運動を大きくする取り組みを引き続き強めていきたい。

 今回の選挙で自公政治への審判が下ったことから、市民の要求への各党の態度が問われることになる。それだけに、要求の一致点での国民的運動を強めて、その実現を政治に迫る取り組みは、これまで以上に重要である。
 当面、総選挙での最大の争点となった政治資金規正法の再改正での企業・団体献金の禁止や選択的夫婦別姓の実現、健康保険証の廃止凍結、多くの政党の公約が一致している食料自給率目標の設定や最低賃金1500円実現のための中小企業支援策、国の責任での学校給食無償化などの要求課題で具体的成果を手にするため、一致点での共闘を旺盛に追求し、政治への働きかけを強めよう。要求を政治変革につなぐ取り組みをさらに強めて「共闘」の新たな流れ、枠組み作りにつなげよう。来年7月に想定される参議院選挙も見据えて、「さよなら自民党政治」の大運動を前進、発展させるために奮闘しよう。

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