2013年11月16日
全国革新懇
「激突の情勢政治を変える新しい共同を」
はじめに
○今回の全国交流会は歴史的な情勢のもとで開かれている。いま「国民が主人公」の政治を求める新しい共同へのさまざまな胎動がはじまっている。橋本・維新の会との激しいたたかいで市長選挙に勝利した堺市で全国交流会が開催されるのも、その象徴だ。30年余の営々とした努力で地域・職場・青年革新懇は808(11準備会含む)が草の根で活動、どの運動でも革新懇がいっそう大きな役割を果たすように期待されている。参院選挙後に生まれている情勢の発展に対応した革新懇運動の飛躍へ、全国の経験から学び、交流し、情勢について語り合い、新しい出発の場にしよう。
1、情勢:今回の交流会の重要な意義と特徴~政治情勢の激変と革新懇運動の役割
○参院選の結果、情勢は激変している。参院選の結果自体、悪政にむかって立ち上がった国民の世論と運動、共同のひろがりの反映でもある。国民対財界・アメリカいいなり勢力の対決、憲法と安保の対決、「自共対決」――対決軸がいよいよ鮮明になってきている。私たちがかかげる「3つの共同目標」は、新しい希望ある日本を展望する旗印である。
○安倍自民党政治は、日本を「企業が世界で最も活動しやすい国に」、「日本を取り戻す(戦後レジームからの脱却)」、「アメリカとともに戦争する国(積極的平和主義)」をかかげ、日本国憲法の理念を真っ向から否定した国=「暗黒の日本」につくり変えようとしている。ここに安倍首相が憲法改悪に執念を燃やす動機があり、いま私たちが阻止するために全力をあげている秘密保護法案もその重要な一環である。
しかし、日本国民は安倍政治の暴走を許さない。実際に、各分野で反撃がおこなわれ、安倍政治の基盤の脆弱性を浮き彫りにしている。原発、TPP(環太平洋連携協定)消費税、基地などの「一点共闘」がひろがり、若者の立ち上がりと結んで「ブラック企業追及」が話題になっている。また大企業の内部留保を労働者・国民に回せ、という私たちの主張が国民的世論となり、安倍内閣も、これを口にせざるをえなくなっているのも、その象徴のひとつである。
○国民はこの間、政治的体験を積みながら、安倍暴走のもとで、新しい政治を模索している。「二大政党」制の破たん、第3極の衰退など政治舞台での変化はきわめて重要であり、3つの共同目標での国民的合意-政治を変える新しい共同へ大きく飛躍する、可能性と条件が生まれている。この確信を胸に刻んで、「国民が主人公」の政府を実現する展望を切りひらいていく大志をもってとりくもう。
2、運動:共同をひろげ、安倍政権の暴走から国民の利益を守ろう
○重要なことは、さまざまの分野での国民と安倍政権の対決の根源は、財界いいなり、アメリカいいなりというふたつの異常に起因していることである。各分野での一致点にもとづく要求実現を求める共同を誠実に発展させるとともに、このエネルギーを政治を変える新しい共同に大きく合流・発展させよう。ここに革新懇の大切な仕事がある。政治を変える新しい共同とは何か。なにをするのか。ときどきの国政の焦点の課題をとりあげるとともに、その実現のためには政治を変えなければならないことを議論し、3目標での合意をひろげること、そして革新懇をつよく大きくすることだ。その視野には国民が主人公の政府を樹立する展望があり、それを実現する国民運動の発展と国政選挙での力関係の逆転がある。
安倍暴走を阻止するためにも、さらに希望ある未来へ政治をかえる力を強めるためにも、草の根での活動をつよめ、各分野で国民的な共同をひろげることが決定的に重要だ。3目標に賛同する要求団体をつよく大きくすること自体、革新懇運動を発展させる大きな力だ。ととともに、統一戦線運動を担う革新懇組織をつくり、発展させるときだ。
革新懇は、他にかえられない性格・役割をもっている。
①国政を革新する基本目標を明らかにし、かかげている②政府をつくることを展望している③「政党、団体、個人」が結集し、草の根に組織があり、活動している
○全国各地の草の根で革新懇は、身近な要求・関心事に応える活動の分野で新しい地平を切りひらいている。悪政のもとで多様な形で切実な要求がある。それは大きく政治の貧困に起因し、政治変革に結ばれる。同時に、要求実現それ自体が値打ちある活動だ。またすべての問題が政治で解決するわけでもない。まともな働き口のない人に手をさしのべた活動、大震災のさい町内の老人の安否を確認して回った活動――目の前の困った人を実際に助けることをはじめとする人とのつながり、地域づくりの活動は、主権者、社会の主人公としてのとりくみであり、人と人のつながりをつくる革新懇の値打ちだ。
3、組織:革新懇運動と革新懇づくりの飛躍をめざして運動の到達と課題
~「国民が主人公」の政府の基盤を全国の地域・職場の網の目に
(1)革新懇の力を強める
○各分野でひろがる一致点での共同の発展に誠実に取り組むとともに、①幅広い対話と懇談、共同をすすめる力②国政の基本目標・展望を明らかにする政策の力③団体、政党、個人が結集する革新懇=統一戦線運動の組織の力を発揮しよう。
○結成から32年をへて、今日、639地域・141職場・17青年の計797革新懇(他に9地域2青年革新懇準備会)が草の根で活動している。社会の土台で国民の生活する場に深く根ざしているこれら草の根の革新懇こそ、革新懇の宝であり、力の源泉である。ここでの多数派を形成することが、「国民が主人公の政府」の基盤となる。
○国民の多くはさまざまの団体を通じて統一戦線に結集する。賛同団体は革新懇の力の大きな柱である。都道府県や地域・職場・青年革新懇組織としての独自活動はもちろん、賛同団体、政党、個人がその持てる力を発揮し、それらを大きく総合的に結集したものこそ、革新懇の力であり、これを大きく強くすることが、革新の国民多数派を形成する根本的な課題である。
(2)都道府県革新懇の役割
地方政治と国政の課題で政治的イニシアチブを発揮する。一致点を大切にした活動をすすめるとともに、大きな影響力を発揮するためには、賛同団体の結集に留意することが大切である。東京、神奈川などでおこなわれているように交流会を開くなど、地域・職場・青年革新懇組織づくりを意識的に追求しよう。
「活動休止状態」の革新懇の再開をめざすとりくみも、東京、千葉などで意識的に追求されている。「そもそも論」の議論、中心を担う人の確保、事務局体制の確立など、それぞれの地域・職場の状況に応じた努力をつよめよう。
(3)地域革新懇
要求、関心事を大切にし、多彩な運動を通じて多数派結集を追求しよう。地域において国政問題を系統的に追求する点でも他にない役割を果たしている。経営者団体など各団体訪問(兵庫・姫路革新懇)、憲法などでの継続した宣伝署名行動(大阪・寝屋川革新懇)、首長との懇談と地域づくり(神奈川・小田原革新懇)、歩いて10分の範囲での活動―町内会革新懇(横浜・岸谷革新懇)など豊かな経験が各地で生まれている。こうした多彩な活動を通して「新しい層と結び付く」(大阪・交野革新懇)ことを多くの革新懇は一貫して追求し、共同の輪をひろげている。どこでも足を踏み出せば、前進は可能だ。活動のなかで多くの人の「得意技」を引き出し、楽しく活動しているさいたま緑区革新懇は、「地域には人がいる」とのべている活動に学ぼう。
(4)職場革新懇
職場革新懇は、産業・職場によって、それぞれ多様な条件に置かれているが、困難な条件とともに新しい条件が生まれている。激しい人減らし・合理化、雇用の劣悪化によって、多くの職場では、労働者が孤立し、悩んでいる。同時に、組合の特定政党支持押しつけが破たんし、労資協調・会社主義も深刻な矛盾にぶつかり、非正規雇用問題をはじめ賃上げと雇用の安定を求める新たなたたかいも生まれている。圧倒的な労働者が未組織なまま劣悪な労働条件を強いられている。情勢の激変を受け、職場のなかで政治が語られている。
こうしたなかで職場革新懇は、政治と要求をむすびつけ、多彩な活動を地道に続けている。組合の違いをこえて、また管理職も含め、輪をひろげている。大阪国公革新懇では、組合との連係もすすめている。損保革新懇での、産業政策を議論し、仕事に誇りを持つことを追求した活動も注目される。
労働者の分野で革新多数派を結集することは、日本の社会を変革してゆくうえで決定的な課題である。
(5)青年革新懇
○青年は希望だ。原発問題でも参院選挙でも活躍する青年の姿が目立った。よく学びよく遊べ――青年自身の要求や関心事を大切に青年の感性での取り組みを大胆にすすめよう。「青年の自主性を尊重してくれた」(広島青年革新懇)といわれるように各革新懇は青年の自主性を尊重して援助を強めよう。いま多くの青年革新懇が、「しゃべり場inカラオケ~仕事のストレスを歌とトークで発散しちゃお!」(YOUTH革新懇(山口青年)革新懇)、「雇用実態アンケート」(佐賀青年革新懇)などブラック企業・雇用問題を取り上げている。生きづらい社会の矛盾に苦しむ青年が立ち上がり始めている。そこで居場所を見つけ、つながり、政治に翻弄される青年から政治を変える青年に成長している。青年革新懇が飛躍的にひろがる条件はあるし、それを現実のものにすることが求められている。
○青年の多数結集という展望を切りひらくために、民青同盟や労組、民主団体青年部などとの連係も探求していくことも重要な課題になっている。
(6)賛同団体の力を発揮しよう
○賛同団体がいっそう発展することは、革新多数派を形成するためにも、革新懇運動を発展させるためにも不可欠だ。同時に、団体の代表が革新懇の世話人会議などで積極的に発言するとともに、構成員に革新懇の催しへの参加や「全国革新懇ニュース」を普及するなど革新懇運動それ自体でも積極的役割を果たすことを追求しよう。
(7)事務室(局)の大切な役割と留意点
○事務室(局)の役割は、革新懇活動を持続し、組織を拡大してゆくうえで、非常に大きい。このことは、「地域革新懇づくりは、まず事務局を担う人を見つけることから始めた」(千葉県革新懇)など各地での数多くの経験から明らかで、革新懇組織をつくり、活動を続けてゆくうえで、ポイントのひとつである。みんなで事務室(局)体制をつくり、ささえよう。同時に事務室(局)は、世話人や賛同団体の意向や力を結集できるように留意することが大きく運動をすすめてゆくうえで大切である。
(8)全国革新懇ニュースを大いに普及しよう
○全国革新懇ニュースは、各分野で活躍する多彩な方がたと対話することを通して、多数派形成へ勇気と確信をひろげている。一致点での共同の大切さを示し、意見が違っても懇談し共感をひろげてゆく貴重な交歓の場となっている。草の根での努力によって現在、28839部にまで到達している。「全国革新懇ニュースを読むことによって革新懇の一員との自覚が生まれる」(千葉県革新懇)ことにもつながる。賛同団体自体が意識してニュースの普及に取り組む努力もはじまっている(香川県革新懇)。神奈川県革新懇では当面、6000部へ倍加する目標を決めるなど意欲ある取り組みがはじまっている。
すすめ方はそれぞれの条件に応じた工夫が必要だが、意識的な追求が不可欠だ。全国革新懇ニュースを大いに普及しよう。