マスメディアを総動員した「代替わり政治利用キャンペーン」に反対する(声明) 東京革新懇

マスメディアを総動員した「代替わり政治利用キャンペーン」

に反対する(声明)

2019年4月26日  東京革新懇代表世話人会

 長期政権の中で改憲ムードを作りたい安倍首相と政権により、国民世論を踊らせ、政治的睡眠をつくろうとする「代替わりキャンペーン」が進んでいる。東京革新懇は、市民意識をも動員して改憲と社会の作りかえに進もうとする政権とメディアに抗議する。

安倍政権は、今年初めから、明治150年を機にしたキャンペーンを推し進め、3月からは天皇在位30年、新元号決定、新紙幣発表、安倍の福島Jヴィレッジ訪問、天皇の伊勢神宮参拝、昭和天皇陵訪問など、華々しいニュースづくりに邁進した。そして4月30日の退位、5月1日の新天皇即位、新元号実施へと進みつつある。NHKが特別番組を組むほか、新聞やテレビのニュース、テレビワイドショーを中心に、「祝賀」ムードが振りまかれる。

安倍政権と歩調を合わせたマスメディアによって、「国家神道」と「天皇制支配」を否定して、「主権在民」と「政教分離」を貫こうとする日本国憲法の精神はうち捨てられ、「明治肯定の歴史礼賛」「象徴天皇制の再生産」「アベノミクス成功」の社会的雰囲気が作られようとしている。これに対する批判は全くといっていいほど見られず、重要な問題が陰に隠され、内閣支持率がなぜか10ポイント近くもアップしたほか、統一地方選の投票率は低下した。国民を眠らせ、考えなくする策略が進んでいる。

見逃せないのは、この間に多くの重要ニュースが軽視され、見過ごされていることである。とくに、どさくさに紛れて、安倍首相の「執念」を実現する改憲策動と、衆参同日選挙がねらわれていることである。

萩生田光一自民党幹事長代行は4月18日、「消費税見送り、国民に信を問う」可能性とあわせ、「自民党は少し『ワイルド』な憲法審査を進めないといけない」「我慢してきたのに、なかなか開けない。令和になったらキャンペーンを張るしかない」と発言した。

また、安倍首相は23日、「新しい憲法制定を目指す大会」にメッセージを寄せ、「来月には新しい令和の時代がスタートし国の未来像を真正面から議論すべき時に来ている」として、憲法改正に改めて意欲を示している。

こうしたキャンペーンの中で、沖縄・辺野古問題では、土砂投入の拡大や埋め立てについて県の承認撤回の取り消し。森友問題では大阪検察審査会が佐川宣寿元理財局長について「不起訴不当」の議決。安保法に基づき初めて多国籍軍の停戦監視に自衛官2人の派遣の閣議決定。地位協定についての沖縄県の調査報告。空自F35戦闘機の墜落。原発作業に外国人労働者特定技能採用方針などの重要な問題が軽視されている。

マスメディアには、日本国憲法の国民主権と政教分離に立脚した冷静な報道を、すべての国民には、このキャンペーンを批判の目を以て受け止め、正確な判断をされることを求めるものである。

以上

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