高浜原発と美浜原子力PRセンター見学  農林京都の会

11月17日、京都の会の会員等5人で福井県の若狭湾沿岸の高浜原発と美浜原子力PRセンターに見学に行ってきました。福島原発事故から7年半以上が過ぎましたが、今だ事故の原因は明らかになっておらず、8万もの人がふるさとに帰れずにいます。それにも拘わらず、事故後停止されていた京都市内から60キロ圏内に位置する高浜や大飯の原発は、それぞれ4基中2基が運転を再開しています。一旦、事故を引き起こせば未曾有の取り返しのつかない被害をもたらす原発がどんな場所にあり、事業者がどんなPRをしているのか、興味をもって参加しました。

高浜原発は、京都府の舞鶴市に隣接する若狭湾西部の内浦半島のつけ根にあり、原発に隣接する内浦湾には漁港がありました。半島の先には集落がありましたが、集落につづく道は原発に隣接して一本あるだけで、他に道は見あたりません。原発事故が起きた場合、どうやって避難すればいいのでしょうか?逃げ道は海上しか見あたりませんでしたが、津波や大地震が起きた場合、避難は到底無理だと素人ながら感じるものでした。

美浜原子力PRセンターには、原発の仕組みや安全性を強くアピールする模型が、ところせましと展示されていました。知らない人が見学し説明を受ければ、恐らく原発は安全で必要なものと思わされるのではないかと思うものでした。PRセンターでは、女性スタッフの勧めもありバーチャル映像で美浜原発構内の見学も行いました。ここでも、スタッフから原発は二重にも三重にも安全を確保していると説明が繰り返されました。テロ対策にも万全を期しているとの説明があったことから、「万が一核兵器等で原発が攻撃されたらどうするのか、心配でたまらない」と質問したところ、横に控えていた年配の男性スタッフが、「それは、政治が解決すること」と述べ、回答をはぐらかしていました。若狭湾周辺の町々には、原発マネーで造られたと見られる豪華な施設があちこちに見られ、何とも複雑な気持ちになりました。(I)―農林京都の会第153号より

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